菩薩はネーランジャラー川で沐浴し、村の女性が捧げた乳粥を受けて、体力を回復した。 原典
沐浴は漢訳『四分律』と『根本説一切有部律』に見える。
女性が乳粥を捧げたことは主に漢訳『根本説一切有部律』、仏伝、南伝の後世の註釈書に見え、南伝パーリ経典自身には記載がなく、供養した者の名も各本で異なる。
異なる記載
供養した人:漢訳『根本説一切有部律』は村長の二人の娘ナンダーとナンダバラーとする。 原典
漢訳『雑阿含経』第 604 経と仏伝『修行本起経』は二人の女性とだけ記す。
『方広大荘厳経』『仏本行集経』は善生女(スジャーター)とし、南伝の後世の註釈書もスジャーターとする。
『過去現在因果経』は牛飼いの娘ナンダバラーとする。 原典
記載の相違をさらに見る(3)
経過:漢訳『根本説一切有部律』は、菩薩が沐浴の後に衰弱しすぎて岸に上がれず、川岸の樹の女神が枝を低く垂らして、それにつかまって岸に上がらせたとする。
南伝の後世の註釈書は、スジャーターがもともと願ほどきのために乳粥を用意して樹神に供えようとし、菩薩が樹下に坐しているのを見て、金の鉢で捧げたとする。
鉢の行方:漢訳『根本説一切有部律』は、菩薩が食べ終えて鉢を川に投げ、竜王(水中の神)がそれを竜宮に納め、が金翅鳥に姿を変えて奪い返し、三十三天に塔を建てて供養したとする。
南伝の後世の註釈書は、鉢が流れをさかのぼり、竜王の宮殿に沈んだとする。
日付:仏伝『仏本行集経』は二月二十三日の朝とし、南伝の後世の註釈書はの満月、すなわち成道の前日とする。 原典
時期
仏陀三十五歳。
南伝の後世の註釈書はヴェーサーカ月の満月、成道の前日とする。
註釈書によればこの日まで確定できるが、経典自身は日数を記していない。
関連項目
- 年
- 地名
- 人物
- 説かれた経
研究者向け資料:信頼度・年の根拠・全出典
- 信頼度の判定方法
「女性から乳粥を受ける」の節は、漢訳『根本説一切有部毘奈耶破僧事』のみに記載があり、単派記載に属する。
そのうち「ネーランジャラー川で沐浴する」は漢訳『四分律』と漢訳『根本説一切有部毘奈耶破僧事』の二部派に記載がある。
- 年の根拠と時間の精度
経典の明記(経典自身が時期を記している)。
註釈書による(経典には記されず、後世の註釈書が時期を記した)。
時間の精度:この日まで確定。
出典
- 大正藏大正藏 T24 no.1450 p.121c–122a
- 大正藏大正藏 T23 no.1444 p.1026c
- 大正藏大正藏 T02 no.99 p.167a
- 大正藏大正藏 T22 no.1428 p.781a
- 大正藏大正藏 T03 no.184 p.470a
- 大正藏大正藏 T03 no.186 p.511c
- 大正藏大正藏 T03 no.187 p.583b
- 大正藏大正藏 T03 no.189 p.639b
- 大正藏大正藏 T03 no.190 p.765b
- 大正藏大正藏 T03 no.190 p.771c
- 大正藏大正藏 T03 no.191 p.949b
- 大正藏大正藏 T04 no.192 p.24c
- 大正藏大正藏 T04 no.193 p.75b
- 巴利註解書巴利註釋 Ja-a
- 巴利註解書巴利註釋 Bv-a,§50,PTS 0.286
- 大正藏大正藏 T24 no.1450 p.122a
- 大正藏大正藏 T03 no.190 p.771b
- 大正藏大正藏 T24 no.1450 p.121c
- 巴利註解書巴利註釋 Bv-a,PTS 0.286
- 巴利註解書巴利註釋 Bv-a,序分 §67 PTS 0.54