アーナンダは住処に戻り、戸にもたれて泣き、「私はまだ有学(なお修学中で、完全には解脱していない者)であるのに、慈しみ憐れんでくださる師がまもなくされる」と言う。 パーリ三蔵
仏陀は彼を呼び寄せて慰め、身・口・意の三つにわたって慈心をもって仏陀に仕えたことを讃嘆し、アーナンダには転輪王と同じように四つの稀有な特質があると説く。
異なる記載
順序:漢訳『遊行経』はこの段をスバッダの教化の後に置く。
記載の相違をさらに見る(2)
場所:サンスクリット本『大般涅槃経』は、アーナンダが双樹の下、仏陀の背後で床に手をかけて泣き、「世間の眼があまりに早く消えてしまう」と言ったとし、「私はまだ有学である」の句はない。
位置は漢訳『根本説一切有部律』、蔵訳律典に近く、スバッダの教化の前である。
四つの稀有な特質:サンスクリット本『大般涅槃経』はアーナンダに二組の四つの稀有な特質があるとする。
南伝パーリ経典は一組だけである。
時期
成道第 45 年、仏陀七十九歳から八十歳、後、入滅の当夜。
経典の明記により、この夜まで確定できる。
関連項目
- 年
- 地名
- 人物
- 説かれた経
研究者向け資料:信頼度・年の根拠・全出典
- 信頼度の判定方法
南伝パーリ経典、漢訳『長阿含経』、サンスクリット本『大般涅槃経』、漢訳『仏般泥洹経』『般泥洹経』、漢訳三巻本『大般涅槃経』の五部派に記載があり、多部派共伝に属する。
- 年の根拠と時間の精度
経典の明記(経典自身が時期を記している)。
時間の精度:この日まで確定。
出典
- 藏譯(德格版)德格版 D6 da 263a5–264b5
- 梵文原典梵文《大般涅槃經》(Waldschmidt)§32.11–32.42
- 大正藏大正藏 T01 no.5 p.169b
- 藏譯(德格版)德格版 D6 da 263a6–264b5
- 梵文原典梵文《大般涅槃經》§32
- 梵文原典梵文《大般涅槃經》§32.33–32.42
- パーリ三蔵巴利 DN 16:5.13.1–5.16
- 大正藏大正藏 T01 no.1 p.25b–c
- 大正藏大正藏 T01 no.5 p.169b–c
- 大正藏大正藏 T01 no.6 p.184c–185b
- 大正藏大正藏 T01 no.7 p.200b
- 大正藏大正藏 T24 no.1451 p.392b
- 大正藏大正藏 T02 no.125 p.751a
- 巴利註解書巴利註釋 Ap-a,§82